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大弁如訥:大弁は訥なるが如し(たいべんはとつなるがごとし) 日ごろ感じたこと、知り得たことを何でも書きます。
by totunaru
習近平という男は
 習近平という男は想像通り小物のようであります。先の日中首脳会談で安倍と握手をした際の不機嫌な顔には驚かされました。最低限のAPECのホストとしての振る舞いさえも出来なかったのです。子供でももっと愛想よく出来るのでしょうが、大の大人が…。これが大国を自称する中国のトップの振る舞いというわけですので笑ってしまいます。実生活でもこのような幼稚性の漂う男と親しく付き合うことは極力避けたいものです。おそらく世界中の指導者たちも同様な思いでいることでしょう。




 しかし習近平の様な幼児性を持つ男が中国のトップにいること自体非常に不思議な気がします。おそらく民主主義国の選挙では絶対に当選は出来ないでしょう。中国という閉鎖社会の一端を垣間見たような気がします。習近平は何故国家主席になれたのでしょうか。私にはどうしてもあの薄熙来事件が引っかかるのです。当時中国共産党中央政治局委員であり重慶市共産党委員会書記の薄熙来は、とても中国国民に人気が高かったのです。一方次期主席と目されていた習近平は中国国民には殆ど知られていませんでした。人民解放軍総政治部歌舞団団長の彭麗媛の夫というくらいのものだったのです。一方薄熙来は重慶市のトップとして外資導入による経済発展、マフィア撲滅運動、格差が少なかった過去を懐かしむ革命歌の唱和運動などで注目されていたのでした。そのため、2012年秋に開催される中国共産党第18回全国代表大会において中国最高指導部である中国共産党中央政治局常務委員会入りについて注目されるキーパーソンと目されていたのでした。




 そして2012年2月6日、薄熙来の側近の重慶市副市長である王立軍がアメリカへ亡命するために成都市のアメリカ総領事館に駆け込む事件が発生したのでした。彼の米国にもたらした情報は驚くものだったのです。それは薄熙来がクーデターを企て、自分が習近平に取って代わろうとしているという情報だったのでした。オバマと当時の国務長官のヒラリーはこの情報の扱いに苦慮しました。つまりこの情報を習近平(当時の主席は胡錦濤)側に知らせるか否かということでした。習近平側に知らせるということは現政権の延命に手を貸すことであり、逆に知らせないということは薄熙来側に手を貸し中国の混乱(崩壊)を誘発できるという機会を手にするということでした。結局オバマとヒラリーは中国の混乱による世界経済の大失速を避けるために習近平(胡錦濤)側に手を貸したのでした。このおかげで習近平は国家主席というポストを手に入れることが出来たのでした。主席になった後の習近平の政策は殆ど薄熙来の真似でした。腐敗撲滅運動、格差是正と毛沢東主義への回帰はまさにそれなのです。もうひとつ習近平は薄熙来のクーデターの原体験から極度に政敵を恐れ、徹底的な政敵の粛清を断行しているのです。




 この流れの中でのオバマと習近平の親密度は濃厚なのです。ですから習近平は平気で米中二国による世界支配などの荒唐無稽な提案をしてくのでした。さすがのオバマも習近平の露骨な要求は退けましたが、自分(オバマ)が習近平を国家主席の地位に付くための手を貸したという気安さから何かと中国寄りの態度を示しているのです。しかし習近平という男は酷い外交音痴なのです。日本に対しては尖閣、防空識別圏などで日本国内に嘗てないほどの対中警戒感を引き起こしているわけですが、ベトナム、フィリピンに対しても強硬な南沙、西沙諸島への侵略で対中警戒感を引き起こしているのです。あまりの中国の露骨さにあのオバマでさえ習近平にくぎを刺すようなコメントを発せざる得なくなったのです。習近平のがさつな外交政策はまだまだあります。習近平のインド訪問中に中国人民軍兵士がカシミール(印中が国境紛争しているところ)国境を越えるような事態を引き起こしているのです。今回のAPEC期間中の中国漁船による赤サンゴ乱獲事件も同様で、習近平は右手と左手が違うことをしているのです。こんな手法で国際的な信用を得ることなどは出来ません。しかも国際法を順守する姿勢は全く見せないのです。




 こうして見てきますと何故習近平が中国のトップになれたのか不思議で仕方ありません。どうしても米国の援助の元の政権であるとしか見えないのです。しかし恐らく習近平の無能さに米国(オバマ以外)の指導者層はかなり苛立っていることでしょう。同様に米国の経済界も習近平の中国国内の米国企業に対する迫害にかなり腹を立てています。正直なところ機会がありましたら李克強等の様な穏健な政治家にトップを取って代わってもらいたいところでしょう。この様に習近平はどこからも好感が持たれていないのですが、中国内の庶民からは腐敗撲滅運動が功を奏して人気があるようです。この唯一の生命線を失いましたら習近平は間違い無く失脚するのでしょう。それを知っているからこそ露骨なまでのイヤイヤ状態で安倍と握手をしたのでしょう。とにかく彼の幼稚性の漂う行動はまさに独裁国の独裁者と酷似しています。こんな男が中国のトップなのですから中国国民に同情しますね。

by totunaru | 2014-11-15 09:03 | 海外事情
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