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中国映画「生きる」を鑑賞して
  連休中に見ましたDVDは全部で8本でした。その中では当ブログで紹介した「再会の食卓」、「シチリア!シチリア!」と今日紹介する「生きる」が心に残りました。今日はこの「生きる」を紹介いたします。


  物語は国共内戦前の中国から始まります。大地主の息子福貴は博打三昧の生活に明けくれ財産を全て手放してしまいます。おまけに妻は子供を連れて実家に帰ってしまいます。福貴に残されたものは知人から借りた影絵一式でした。福貴は仲間を募り、影絵芝居の旅回りを始めます。そして国共内戦に巻き込まれながらも何とか生き残り故郷に帰ってきます。我が家では母は死んでしまっていましたが、妻が2人(姉、弟)の子供を連れて戻ってきていました。しかし姉の方は病気を患い、会話することが出来なくなっていたのです。


  福貴と妻にはその後中国の大躍進、文化大革命と次々に時代の荒波が襲いかかります。それと同時に家庭内の悲劇も次々に起こります。これらの苦しみや悲しみを乗り越えながら2人は肩を寄せ合い、互いに支え合い生きていきます。もはや大地主の息子でもなく、深窓の麗夫人でもありません。地位や財産もありません。ただ淡々と家族、友人たちや隣人たちへの愛情や思いやりの中で生きていくのです。


  この映画はかなり長く120分を超える大作でしたので、連休中でなければ絶対に観れない映画でした。人間はいつも時代の流れに翻弄され悲喜劇が生まれます。人間は時代の波に逆らうことはできません。そんな中で生きていることを実感するのはどんな時でしょう。また人生の終わりに思うことはどんなことなのでしょう。とにかくそんなことを考えさせる映画でした。中国語では「生きる」は「活着」です。着は進行形を表します。

by totunaru | 2012-05-10 15:01 | 鑑賞
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